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ANALYZEF/s smith grindHirotoshi Kawabuchi

PHOTO
detail 001 ガードレールのしなり。この一点に集中する姿。この写真は3.11の震災から約一ヶ月後に東京近郊で撮影。この頃は余震も頻発し街はどことなく暗い雰囲気だったけれど、それを振りはらうべくストリートへ。
detail 002 写真に写り込む車。実は3.11にも僕らはこの車で出かけてた。ブチ、松尾裕幸、池田幸太というメンツもほぼ同じ。写真に自分たちが乗っている車が露出されるのは基本的には避けたいところ。でも、このときはストーリー的にもアリだと感じたのでそのままに。
detail 003 後ろで出番を待つ戸枝義明。ローカルもスポンサーも全く異なる二人が、ひとつのスポットでセッションする光景は、当時製作中だった紙の方のSbのサブタイトル「HOPE」そのものだった。これぞスケートボード。
detail 004 このデッキは僕のデッキ。普段ならツッコミどころとしてアウトさせるけど、この日は車同様デッキもそのままに。それによって、個人的な部分になってしまうけど、この写真を5年後、10年後にも見返すことになると思っている。
Summary

いまだ深い爪痕を残す大震災。日々の生活においても悲痛なその影を落とす。この写真を見ても一目瞭然で、そういう中でスケート写真を記録していく、残していくというのは社会的に賛否両論あるのかもしれない。6月にリリースされたSb Vol.18"W HOPE N"号に石沢彰が寄せてくれた言葉を思い出す。「ピンチはチャンス!!(中略)新たに生まれたスポットを攻略して、歴史に残るスケート写真を撮ってみてはどうだろうか?」今までも何度も書いてきたが、スケートボーダーは滑ることによって街を感じリアクションしていく。そして街の移り変わりや再生を直接的に記憶していく。ブチ君のトリックもさることながら、10年経っても追憶させる写真にもなる。この写真においてはストロボの当て方がもっとえげつなくなくても良かったかもしれない。