隣国の韓国でもっとも有名なスケートスポットのひとつ"CULT"が存続の危機に瀕している。区議会の提案で公園を駐車場にする計画が浮上しているからだ。このスポットは古くから韓国のスケートボーダーに愛されてきた言わばシンボリック・スポット。海外からのツアーがあればデモが行われ、週末になるとスクールや大会などのイベントが開催されてきた。東大門というショッピングセンターや市場がある繁華街からプッシュで3分ほどに位置し、平日休日問わずスケートボーダーで賑わっている。ゆえにすべてのセクションでありとあらゆるトリック・レコードが出つくしてしまったスポットではあるけれど、ストリートを流しながらセッションしたりフィルミングのための流動的なスポットとは役割が異なる。トリップの待ち合わせ場所にしたり、滑るつもりで集まっても女の子の話やくだらない話で談笑して終わる日もある。ビールを片手にスケートボーダーをつまみに一杯なんて日もあるだろう。フラっとそこに行けばスケートボーダーがいて、スケートボードと触れ合うことができる。そんな当たり前のような日々を過ごす場所でもあるのだ。こういったスポットの存在価値は計り知れない。ローカルスポットとローカルショップの存在があってこそ地域のスケートシーンは活性化し成長する。考えてみると、サンフランの"EMB"、フィリーの"LOVE PARK"、東京の"ジャブ池"や"アキバ"があった。それぞれのスポットはスケートボーダーによってひとつのコミュニティーのような存在となっていて、多くのスケートボーダーを育て、いつしかシンボル的な存在となった。そんなシンボリック・スポットは映像や写真として残した作品の数以上にスケートボードに貢献してきたはずだと思う。そこに集まるスケートボーダーの生活の一部として浸透して日々起こるセッションやハプニングは、毎日通っても足りないくらいの刺激を浴びせてくる。そんな刺激が病みつきで更にスケートボードにハマっていく。そんな立派なスケートボーダーを育ててくれてるスポットだ。「あそこの方がいい」とか「こっちの方がいい」ではない。EMBもLOVE PARKも、ジャブ池もアキバと同じような何かをCULTからも感じる。憧れのスポットで滑ることも刺激的だけど、毎日の自分の居場所があるってことも大切でその存在は大きい。そういった場所はスポットだったりショップだったりどこの地域にもあるはず。それぞれの地域のスケートボーダーが守って育てていくものだと思う。現在の"CULT"の状況は、とりあえず市議会としては駐車場として話を進める可能性は低いと返答があったみたいだけど、既に一部のセクションは取り壊され滑れない状態になってしまっている。ソウルのローカルスケートボーダーたちはこれを機にCULTをより良いスケートスポットにするために市議会議員と話し合いを進めている。FREE CULT!!!!!!!!!!!!!!!!!!
Eiji Morita