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SHOHEI

9月にオーストラリアのメルボルンでの個展を控えているSHOHEI。そもそも、これまで外国人の持つ偏った日本へのイメージに面白味を感じ、その感覚をテーマに作品を制作してきた部分が大きいという彼。たしかに、その絵は一見して日本的ではあるが、実のところは本当の日本の姿とは違うし、白黒の画法でありながら、古典的技法でもない。曰く、「皮肉を込めて、日本から海外、そして海外から日本へ向けて啖呵を切る気持ちで描いています」という。もちろんこの先もずっとというわけではないかもしれないが、少なくとも今までと今の彼の座標はそういうところにある。もともと人間は生まれてきたところから、自身ではどうしようもない「イメージ」という一種のカテゴライズされた幻影につきまとわれてしまう生きものである。それはときに便宜的であり、ときに残酷なほどに温度のないものでもある。だからこそ、SHOHEIが先入観的なイメージを逆手に取って面白くかつ真剣に破壊と構築を黒と白の境界線に描くことに引き込まれていくのだろうか。ボールペンで描くことを好み、手首のストロークのみで表現できるサイズの絵が多いが、いざ描くというとき、白い画面の中に黒いペン先を落とす緊張感とそれに呼応するように絵の中に生まれてくる緊張感が支配する。それは彼にとって得難い大切なものである。そして、見る者はその緊張感から発せられる(描かれる)画力と世界観には、画角からはみ出してくるような強さを正面から受けることになる。今回のフィルハーモニーはデスクトップから実際の展示へと続く。そのどこかで、みなさんも彼の作品に顔を近づけて仲間とああだこうだと言って盛り上がってくれるに違いない。

その手で一体何を?

「必殺技です!」

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