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TANGENT

僕は読書をするとき、これを読もうって決めて本屋に行くのではなく、行ってみて棚からなんか面白そうだなと感じた本を選ぶことが多いです。たまに本屋へ行くことだけで満足しちゃうこともあるんだけど、なんか本屋って"こん中から面白い本を選んでみろっ"て挑戦的な感じがして面白いんです。で、読むとき、その場所は絶対アウトドア派(自分の家以外って意味で)です。それを読んでいたときが暑かったか寒かったか、周りの木々が桜満開だったか新緑だったか、はては紅葉?枯れ木?、よく通った喫茶店は?、よく飲んだコーヒーは?、イヤホンから流れてた音楽は?…。その本の思い出がそれらと共有しリンクするんです。もちろんそれによってその本の面白さが変化するわけではないんだけど、後になってその本を思い出したときに、それらも必ずセットでついてくる感じ。だから僕にとっての読書ってそれらすべてをひっくるめての行為なんです。ちなみに今読んでるのは世界的作家の大作。上・中・下の三巻セットでそれぞれが600ページもある自分にとって未知の領域。正直きついな~って気持ちも半分あるんだけど、それを読み終えるときに、その本をイコールで結ぶ季節や気温の流れ、音楽、コーヒー、場所はなんだろうって考えると、僕にとっては本の中身以上に楽しみだったりします。

Takehiro Hara