写真や文章には見る側の入り込む余地がたくさんある。事実を事実として無機質に伝えるものもあるけどそれは除いて。自分に投影したり、当時を思い出したり、空想したり…。誰に咎められることもなく自由自在。ある頼まれごとがきっかけでSbのバックナンバーを探してた。その流れでつい色々な号を読み返してみる。Vol.11は90年代ネタ号。自分もいわゆる青春時代を過ごしたこの時期。その時のネタをまた見返してみたくなったり、当時の自分を思い出す。今とは違う葛藤や悩みや楽観はちょっと恥ずかしい。Vol.12。アメリカに行ったことのない僕に観光誌とは違った温度差のない街を伝えてくれる。一番印象的だったポートランド。ブレント・アチリーが伝える情報と彼の不可思議なウォールライドの写真が今でも僕が知ってるポートランドのすべて。でも不思議にイメージはできてる。あとは行くだけ。スケートボードの根本とも言えるテーマのVol.14と15。Vol.15のチェット・チルドレスとマックス・シャーフのコメントに痺れた。空想する。自分がスケートボードのプロだったらこんなコメントができるかどうかを。きっと無理。極めつけはやっぱりアラフォーを迎えた僕を支えているVol.19でのジャイ・タンジュのひと言。「40歳になるとすべてが最高になる」。3年後、僕はこの言葉を誰かに使うつもりでいる。早く使いたい。きっかけは全然違うことだったのに、こうやって当時の思いを再確認する作業もなんだか楽しい。結局ちょっとした文章や写真でもそこから広がる世界は受け取り手次第だと思う。情報をただ情報として受け取るのもいいんだけど、せっかく見る側の自由も保障されているんなら、それに思いっきり乗っかるのもいい。それが僕のSbの楽しみ方の1つ。