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TANGENT

東京は練馬の光が丘のスケートボーダーと知り合ったのは、自分がまだ専門誌に勤める前の頃。それは、写真家・大沼茂一氏が撮った一枚の写真がきっかけだった。氏のホームであるその街の公園で、デッキやビールと一緒におらが街のスケートボーダーが酔狂する写真。彼らがタツミとアルトだった。その後も、氏が撮るワールド・ワイド・ラブのシリーズ広告などに、度々彼らが登場してきた。スケートボードに反応したのはもちろんだったが、なにより彼らとその場所から漂ってくる臭いが良かった。スケート臭と言ってもいいし、ローカル臭と言ってもいいかもしれない。都会の一角で、自分たちだけの繋がりと楽しさを共有する。それは小さな文化な感じがした。そして、こういう場面や情景が各地のローカルスポットであるのだろうとも思った。スケートボードを知るのもやることもそんなに困難ではなかったが、国内専門誌などはなく、香しいスケート臭に触れたりそこに棲息するローカリズムを垣間見ることは容易ではなかった時代。そんな自分史のとある時期から今に至るまで、スケートボードを感じさせてくれる街のひとつ、光が丘。その街にある唯一のスケートショップ、TAZ-tokyo。店主は、大沼氏の写真に写っていたタツミ。当時の出会いを経て、WHEELやSbでライディング写真を披露している彼の店には、世代をまたいでローカルたちが必然集ってくる。木川田直敏を筆頭に、タニやアンドリュー、それにCHINDOGことチン君などなど。ちなみにチン君は、こちらも意図していたわけではなかったが、結果的にSbの過去20冊のバックナンバーの中で、カバー写真とグラビア写真、そして原稿執筆とグラビア登場(滑り)のすべてをメイクしている唯一の人物。全国的にCHINDOGがどれほどのネームバリューがあるのかわからないが…。タツミとチン君、そんな二人とこないだ夜の街で偶然に会った。東京は広いようで狭い。アンテナが同じなら偶然は必然に近いのだが、そんな夜に得たトピックスをひとつ。彼らが街・光が丘のスケートショップTAZ-tokyoが5周年を迎え、アニバーサリーイベントをするという。当日は、ビデオプレミアや縁の深いESOW氏のライブペイント、LIGHTHILLのライブなど、盛りだくさんなラインナップになるようだ。大変な酔狂が予想されるが、そんな中、壁のある一角でハニかんでいるであろうチン君を思い浮かべる。前号"フォトジェニック"に掲載されたタニこと谷川祐馬のポールジャムをはじめとして、彼らが街の写真を展示するらしい。15年近く前、大沼茂一氏の写真をきっかけに続いてきたこの物語。その街のスケートや写真の住民票は今も変わっていないが、時代は確実に移ろい、そしてその分、彼らのスケート臭はより香しいものになっているに違いない。

Senichiro Ozawa


TAZ-tokyo
5th  ANNIVERSARY PARTY
11/3(土曜日)
@吉祥寺STAR PINE'S CAFE
23:00~  2000/1D
先着100名様にTAZオリジナル
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