Sb Skateboard Journal TOP
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HOPE号は数多のスケートボーダーのメッセージが詰まった一冊となった。その一方で、スケートボーダーとシーンをずっとサポートするインダストリーの存在も忘れてはならない。スケートボードにおいては、プレーヤー、インダストリー、ショップの距離がとても近くて、いずれもストリートに点在しながら繋がっているからだ。先日、テレビ東京の日経スペシャル「ガイアの夜明け」を見た人もいるだろう。画面には、着のみ着のままの方が多い被災地にソニック・ディストリビューションのBOXからスケートボードシューズを配る映像が映し出された。また、東北のスポンサーライダーも精力的に被災地に足を運び、多くのスケートボードシューズが被災者の手に渡った。Emericaライダーの真木蔵人は、外出すらままならない福島の子どもたちのために、キッズ用デッキのコンプリートを持っていって、体育館をスケートボードパークの熱気に変えた。良い意味でスケートボードは手軽だし、もともと子どものオモチャとしても人気がある。ひたすら夢中になってくうちに、いつのまにか笑顔になれる。たしかに、必需品すらままならないような危機的状況下、すなわち安定した日常というベースが崩れ去ってしまえば、スケートボードだけでなくどのインダストリーの生産性も厳しいことになるのは当然だ。それでも、今できること、スケートボードが役立つのであればアクションすることは大切だし、シーン全体でプッシュすることをやめてはならない。なぜなら、明日は必ずやってくる。シューズやキッズデッキを送ったソニック・ディストリビューションの平林氏は言う。 「シーンの、しいてはこの国の未来そのものでもある子どもたちに何を伝え、何を残していくのか。そのために我々もまた考え、行動しなければいけない。震災直後、エリック・エリントンやジム・グレコがスタッフや家族のことを心配してすぐにメールをくれたんだけど、その際今後の日本のスケーターキッズの為にもDEATHWISHジャパンツアーを近い将来に必ずやりたいとも言ってくれた。また、EmericaライダーからEmericaチームマネージャーになったヒース・カーチャートもこれから日本のスケーターに対して何かできることはないかと私に尋ねてくれた。そしてEmericaライダー全員が日本のことを祈っていると」。 今を乗り越え、さらにはこれからのために、プレイヤーもブランドもインダストリーもショップもアクションしている。Keep on pushing. 脳天も心も体も躍動させるフレーズが、これほどまでに響くときはない。ひたすらに実践あるのみ。