"It's the best way to remember the child in you.
This is probably why Mark is so special to many of us.
He's showing us the universal child we all have been"

  • Benjamin Deberdt
    Paris
  • パリ在住のフォトグラファー、ベンジャミン・デベルト。本誌Sbのページでも彼のスケートボード写真を見ることができる。「PHOTO ANNUAL」「diaspora」「W HOPE N」と、彼が寄せてくれた被写体を自然体にさせてしまう写真やメッセージを印象的に思う人も多いのではないだろうか。個人的には、何度も彼とやりとりをしているうちに、写真やアーティクルだけでなく人間的にも興味を持つようになっていった。パリジャンの気質と、スケートボーダーのインディペンデントした視線、それでいてフローする文面。そんな彼が撮影しマーク・ゴンザレスが絵を描いたアートブック「LE CERCLE」がリリースされたというので、ベンジャミンに少し話をしてもらうことにしよう。
  • 実際のパリという街は、みんなの想像とはだいぶ違うと思う。でもそれっていいことかもしれないな。パリに来て驚いてくれたら面白い。確かに歴史のある街だけど、スケートボーダーにとってもパラダイスって言っていいかもしれない。道は滑らかだし、みんなが望むあらゆるスポットがある。ただ、生活費はかさむだろうけれどね。この街での僕はというと、猫のブーガルーが喉をゴロゴロ鳴らす音で目を覚まし、ワイフと一緒に朝食を作ったら、"l'Autobus"っていう近所のカフェに行く。そこで隣人のスコットとコーヒーを飲みながら人生や現代主義について語り合うんだ。背中の調子が良ければ、ちょっとスケートボードをするのもいい。それで写真も撮れたらすごく満足な気持ちになって、ラボにフィルムを持って行ける。家に戻ったら夕飯を作って、美味いワインをテラスで飲むんだ。そのあとは、またカフェに座ってピエロっていう年配のバーテンダーと話したり、友達に会ったりしているのさ。まあ、僕自身はそんなに面白い人間じゃないんだよ。だからか、興味を引かれる人物の人生を記録に収めようとしている。それは人が持っている外側のイメージだけじゃなく、「真の人生」に入り込むようにして撮りたいんだ。スケートボーダーばかりを撮っているのは、そこが僕のルーツでありスタート地点で、最も興味がある部分だからだよね。それで、自分というものを一生懸命表現しようとしていて流行を追いかけない人が好きなのさ。
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